餅つきについて 中島武利さん(世田谷区)より
お餅搗き
お餅の語源には、『もちひ』や、『もちい』とか、『毛知比』または、『搗ち飯(カチイイ)』等が有ります。
お正月にお餅は欠かせません。お餅は「お金持ち」の洒落もありますから、栃の実を使ったトチ餅は、土地持ちの駄洒落も出来るような!?。
搗(つ)きたての真っ白な餅が、好きな形にととのえられ、お目出たい席を飾るのにふさわしい事や日持ちが良いことも、お正月など数々の行事にお餅が登場する元になるようです。
『福引』と言う言葉が有ります。福引とは、江戸時代に餅を引っ張り合い、多く取った方が福に恵まれる行事を、年の初めの正月に執り行ったことが語源だそうです。
お餅には、お供え餅、切り餅、お団子等種類も豊富で、身近なコンビニにも必ず数種類のお餅が並び、 昔はお餅はお正月と考えられていたのに、最近では毎日でもお餅が食
べられます。
秋田県の旧家では、正月用の餅つきの他に、小正月餅、初午餅、菱餅、アラレ餅、お彼岸餅、八十八夜草餅等と、一年に30回以上もお餅を搗いていたそうです。
種 類
一口に 『餅』と言っても、モチ米を使ったものから、ご飯と同じウルチ米を使うもの、また、両方を混ぜ合わせた餅や、ウグイス豆、小豆、ヨモギ、粟、トチを加えた餅まで有って食通を楽しませてくれます。
モチ米では、鏡餅、のし餅、草餅、あられ餅、安倍川餅、栃餅、羽二重餅、白玉団子、落雁 等です。
ウルチ米は、きりたんぽ、御幣餅、草餅b、みたらし団子、月見団子、他の団子類、ういろう 等。
モチ、ウルチでは、おはぎ、ぼた餅、柏餅、等ですが、おはぎとぼた餅は、おはぎが萩の季節で、ぼた餅は牡丹餅ともいい、牡丹の時期に作る違いで素材は同じです。
銀座のデパートで食品売場を散歩していたら、おしとやかな御婦人が、「そのおはぎ、半殺しですか?」と質問したら、店員が 「ハァっ? えっ!!」と驚いて目を丸くしていまし
た。
おはぎの半殺しとは、お餅を搗くときに米つぶが半分残っている状態を言い、外側の小豆で中が見えないため確認したのです。でも、銀座で貴婦人が使う言葉にしては問題があるでしょう。
多種多様
団子は小麦粉を使う事も有り、お餅の仲間か分類が難しいところですが、草餅や粽(チマキ)も、ウルチやモチで作ったり、両方を混ぜて搗いたりしますので、正式の解釈は実に難しいのです。
小麦粉を使う饅頭は餅でなく、かと言って、モチ米の餅を丸めて作る饅頭も有るのですから判らない。お汁粉と善哉(ゼンザイ)の違い等、餅の事ばかり考えて居ると頭がモチモチと粘ってさえくるのです。
お餅は、お雑煮、焼き餅、あられ、かき餅、栗の子餅、粽、草餅、水餅、安倍川餅、牡丹餅、大福、 粟餅、ヒエ 餅、等多様で、お雑煮ひとつでも各地によって作り方が違
い書き切れるものではありません。
ペッタン
商店街やデパートで、日曜などの催しに大相撲の力士を招き餅搗きをします。
まだ無名の力士でも数人呼べば ん十万円の出費で、花形力士の場合など、ん百万円の高価な餅になるのです。
普通の人がお餅をつくと、「ペッタン、ペッタン」と音がしますが、力士が大きな杵を打ち下ろすと、『ドスッドスッ』と響きます。ですから、ひと臼搗くのにたった数分で終るのです。
餅は搗いたので餅搗きと言いましたが、最近は機械で擦り潰した餅ですから、「餅擦り」とでも言うのでしょうか?
パック入りの餅を製造している会社によっては、オートメ工場の「プラスチックの杵」で搗いているところもあります。
中島武利「愛論百科」より

