第11回 寿堂 〜鈴木健太郎さん〜

 春陽の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。この度の震災は想像を絶するものがあり、時が経つにつれ判明する被害の甚大さに心がいたみます。ご被害の皆様には、一日も早い復旧を心からお祈り致します。
 さて、今月は大手町で和菓子屋を営んでおります寿堂の鈴木健太郎より、紙面講座させていただきます。
 今回のテーマはズバリ「豆」でございます。皆様のご家庭でも煮豆やあんこを作られると思いますが、私なりの一番おいしいと思う豆の煮方をご紹介させていただきます。
 まず、一晩水漬けします。長時間漬けすぎますと豆の表皮が硬くなる原因にもなりますので、お気をつけてください。前の日の夜に漬けたら朝には煮るほうがいいでしょう。 
 次に、火をつけて煮ていきます。沸騰後湯を捨て、豆を流水で洗います。これは、豆からタンニンという毒素がでるからです。この作業を怠ると渋みが残りお美味しい餡はできません。
 次に水を替えもう一度沸騰させます。私のこだわりはここからです。普通専門学校などでは、先ほど同様にもう一度水洗いします。しかし私は、この二番汁こそ豆の旨みと思っております。和菓子屋さんでもこの水洗いの回数はそれぞれです。何が正しいかは私も分かりませんが、自分の舌にはこの煮方が一番でした。つまり、湯は捨てずに、ここに水を入れ50℃以下にして、もう一度沸騰させます。
 あとは、豆が大きくなったら、弱火でやわらかく煮ます。そのあと蒸らすのもいいでしょう。
 旨みをたっぷり吸った豆の出来上がりです。ここに溶かした寒天と砂糖を入れれば、小倉羊羹。水を切り砂糖を加えて練れば、小倉餡の完成です。ぜひ一度お試しください。



 

店舗情報
住所 新発田市大手町4-1-16
電話番号 0254-22-2831
営業時間 -
定休日 -
商工会議所だより掲載 2011年4月


※情報は掲載時のものです。変更の場合がありますので、電話で確認のうえお出かけください。